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給料の計算方法

給料の計算方法は、支給項目から控除項目を差し引いて計算します。このうち、通常の主な控除項目は次のとおりです。
     <通常の主な控除項目の構成>

 

 

項目

 

控除する対象者(注1) 控除した金額の扱い
役員 正社員 パート アルバイト

 

 

法定項目

 

 

雇用保険料 × × 雇用保険料は、労災保険料とあわせて年1回(6月1日〜7月10日まで、注2)、納付します。このため、従業員から徴収した雇用保険料は、会社が立替払いした保険料に充当することとなります。
健康保険料 × × 会社負担分の社会保険料とあわせて、給与控除した月の末日に納付します。
厚生年金保険料 × ×
所得税 給与控除した月の翌月10日に納付します。また、パート、アルバイトの住民税は、その年1月1日に在籍していない従業員や、前年の所得が一定額以下の場合にはかかりません。
住民税
任意 財形貯蓄等 財形貯蓄など給料天引きをするには、労使協定が必要です。

注)

  1.  「パート」「アルバイト」の雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料の徴収の有無については、所定労働時間や雇用期間に応じて変わる場合があります。正確な適用関係については、こちらをご覧ください。
  2. 会社が納付する労働保険の概算保険料が年40万円を超えるなど一定の場合には、年3回(7月10日、10月31日、翌年1月31日)に分割して納付できます。

法定控除項目の計算方法

法定控除項目の計算方法は、次のとおりとなっています。なお、下記の控除額は、政府管掌の健康保険、厚生年金保険の場合であり、健康保険組合、厚生年金基金に加入している場合は、これと異なった計算をします。

項目 控除する金額

 

 

 

 




雇用保険料 給料の額面金額(注3)×0.6%(注4)
健康保険料(注5)

給与支給日の前月末日で40歳以上65歳未満の場合
 標準報酬月額×(10.00%(注8)+1.82%(注7))×1/2
       (50銭以下切捨、51銭以上切上)
上記以外の場合
 標準報酬月額×10.00%(注8)×1/2 (50銭以下切捨、51銭以上切上)

厚生年金保険料(注5)

標準報酬月額×18.3%(注6)×1/2 (50銭以下切捨、51銭以上切上)
 ただし給与支給日の前月末日で70歳以上の場合、厚生年金保険料はかかりません

所得税

上記雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料控除後の給料の金額に対して、「給与所得者の源泉徴収税額表」にあてはめて、計算します。なお、この給料の金額には、非課税通勤費を含みませんので注意してください。
「給与所得者の源泉徴収税額表」は、次の区分に応じて使います。

給与の種類 税額表の種類 「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出
提出あり 提出なし
日ごとに支払う給料 日額表 甲欄を使います

乙欄を使います。
ただし、2ヶ月以内の期間雇用の場合は、丙欄を使います。

週ごとに支払う給料 同上
上記以外(月ごとに支払う給料など) 月額表 乙欄を使います。

 

住民税 各市町村から特別徴収税額の決定通知書が送付されてきますので、その通知書に記載された金額を控除します。

 上記の控除は、給料に対するものです。賞与から控除するものについては、こちらをご覧ください。
注)

  1. 給料の額面金額には、定期券代など現物給付を含みます。
  2. 農林水産業、清酒製造業、建設業の場合は、別の料率になります。
  3. 健康保険料と厚生年金保険料は、前月末に在籍していた職員についてかかります。したがって、入社した当月に支払われた給与については、控除しません。また月末日に退職した場合は、翌月に控除する健康保険料と厚生年金保険料をその退職した月に支給される給料から控除できます。
  4. 船員・坑内員は別の料率になります。
  5. 介護保険料は、毎年3月に改訂されます。令和5年4月支払分の給与(賞与は令和5年3月支払分)から、介護保険料率が1.82%に変わりました。
  6. 協会けんぽの健康保険料は都道府県ごとに異なる料率となります。10.00%は、事業所が東京都にある場合の令和5年3月分(4月給与支給分)からの料率となります。